あれは、どしゃ降りの雨の日。

私はこの踏切のタクシー乗り場にいた。

傘はあるけど役にたたなくて、
もう泣きたくなるくらいタクシーはこないし、
濡れていくスーツ。
そんな私にバイクが思いっきり水を…
私は確実にびしょ濡れになった。


近くの毅くんの実家まで連れていかれて、
洋服を貸していただいたんだよね。


「 琴梨… 琴梨? 」


私の顔の前で手を振っている。


「 ごめん!
いろんなことを思い出してた。 」


にこっと笑った私に。


「 そうだよなぁ。
今日出会ったんだもんなぁ。
残念ながら雨ではないけどね。
ほら、そろそろオレたちが出会う時間だね。 」


私は時計をみた

7時40分

そのあと毅くんの顔をみた。


「 稲毛琴梨さん、
オレと結婚してください。
四街道毅は、一生琴梨さんを守りたいです。 」


私はいつか言われるかもしれないかなぁ?って思っていた言葉を
今日聞けるなんて思ってなかった。

毅くんごめん!
出会った記念日も私は忘れていたのに。


「 私のこと一生守ってください。
でも、私も毅くんのこと支えていきたいです。 」


「 やったぁ! 」


毅くんの大きな叫び声は遮断機の音で消されちゃったけど、
私を力強く抱きしめてるのは電車からも見えちゃうし。
駅にいる人たちにも見られちゃったけどね。


琴梨は、
一生守ってくれる
大切な枝を見つけちゃいました。





end