「 雄大… 」


「 … 」


返事をしないオレ。
しのぶはオレの背中にぶつかるように走ってきて


「 雄大…
私、津田しのぶは初富雄大のことを、
ずっと前から大好きなの!
だから、
他の女の子のところに行かないで! 」


オレの背中に顔をうずめてないている、しのぶ。


「 オレだって、
しのぶしか好きじゃないよ。
だから今まで通り毎日一緒にいよう! 」


学校から最寄り駅まで歩いて20分。

電車に乗って家まで全部で一時間。

この学校卒業するまで毎日二時間。
しのぶの手を繋いでいよう。


オレの
この体温で他の男たちから遠ざけるように


「 なぁ、
しのぶ手をつないでいい? 」





end