「 麻ちゃん? 」


オレはつい声をかけてしまった。
麻ちゃんはオレの顔を見て…
しばらくして思い出してくれた。


「 敦哉くん?久しぶりだね。 」


お互い大荷物だったから


「「 旅行するの? 」」


同時に同じ言葉を出してしまった。
二人しておかしくて、
しばらく笑っていたけど…。


「 で、どこに行くの? 」


オレから聞いてみた。


「 親友の結婚式なんだよね。
だからドレスが入ってるんだ。 」


麻ちゃんは、
自分のボストンバックを叩いた。


「 オレもだよ。
となり街のホテルでさぁ。
もしかして一緒だったりして?
オレの友達は、
目白って名前だけど、どう? 」


麻ちゃんは、
招待状を取り出して。


「 そう!目白さん。
目白さんと結婚するんだよね。
私の親友は中山雅っていうんだよ、ビックリ! 」


「 じゃぁ、
今日はよろしくだね。 」


にこっと微笑みながら、
オレは麻ちゃんの左手をみた。
指輪が入ってないことを確認していた。