いつも奈琉世を迎えにきていた彼氏さんが気になっていたの。

友達の彼氏だからって
好きになってはいけないって
誰が決めたの?

だって仕方ないでしょ
好きになってしまったんだから。
誰にも止められないんだから。




「 あっ、轍さんですよね?
ごめんなさい
名字知らないもので…
奈琉世からお話聞いて
つい
初めて会ったとは思えなくって
声をかけちゃいました。

奈琉世と仲良くさせていただいてます
桐谷美来です。
よろしくお願いします。 」



「 丁寧に…
ありがとうございます。
オレは九美上轍です。
奈琉世…共々よろしくお願いします。 」



やっぱり私この人好き!

身長もスタイルも顔も声も息づかいも
すべて愛しい人!

なんでこの人は
奈琉世を彼女にしたんだろう。


私の背中越しに奈琉世が見えたのかな?
轍さんは軽く手を上げて優しく微笑んだ。


あなたは
そんな優しい目で
奈琉世を見ているの?

いつか
その優しい目は
私を見つめることになるから
今は奈琉世を見ていていいからね。



「 轍くん、ごめんなさい。
お待たせして…
あれ?美来! 」



「 奈琉世の待受画面が2ショットでしょ!
すぐ轍さんだってわかってね、
つい話かけちゃったんだ。
ごめんね。
奈琉世もきたし
私もバスの時間だわ。
では、
奈琉世!
また月曜日にね。」



「 美来さん駅まで送りますよ。 」



「 いいです、今日は!
私も約束があるので
今度お願いします。
なんてね。
では、またね、バイバイ。 」



二人に軽く手を振り
私はバス停でにやついていた。