どうして二人の気持ちが離れていったのかな?
ずっと手の届くキョリに
偲斗がいた、
いてくれると思っていたのに…。
いつから?
はぁ
今日が休みで良かった。
洗顔して鏡をみた
自分の顔に相手を睨み付けるようにして
「 ひどい顔。最悪。 」
つぶやいて
鏡にむかいタオルを投げつけた。
ひどい鏡に何をするわけでもなく
ソファーにケダルイ体をあずけていた。
[ いいよ、どこにする? ]
偲斗
メール見てないのかと思っていた。
ちゃんと見ていたんだとホッとした。
[ いつものところで。
時間は偲斗が決めていいよ。 ]
メールをするのも久しぶりだったね。
いつも電話だったもんね。
[ 1時間後でいい? ]
えっ?
1時間後?
マジ?
偲斗に決めていいよって言ったのだから
ダメとは言えない。
[ OK! ]
このひどい顔をなんとかしなくっちゃ。
でも
このひどい顔に化粧をして隠してはダメ。
ダメなんだよ。
このひどい顔のまま偲斗に会わなきゃ。
いつもの喫茶店へ
このまま
私のままで会いたい
いつもは近く思っていたキョリが
今はこんなにも遠い。
この手をのばした
その先に
あなたが
偲斗がいてほしい。
end