今オレの助手席で
ちょこんと座っている
オレの彼女、宏愛がニコニコしながら
オレの横顔を見ている。



「 宏愛って
ホントに小さくって
ハムスターみたいでカワイイよなぁ。 」



「 それってほめてくれてるのかな?
バカにしているみたいに聞こえるんだけどなぁ…。 」



「 ほめてるよ。 」



宏愛のおでこを軽く触れてキスをした。



カワイイって本気で思ってるよ。

でも…

宏愛…
ごめんね。

オレは会うたびに

キスするたびに

抱きしめるたびに

心でつぶやいていた…
ごめんね。



宏愛…
キミを大好きだけど

オレの心にいるのは

キミじゃないんだよ。



オレは大切な人へのプレゼントを
バッグの底に隠している。

一生一緒に時を過ごしていたい!
けど… できないんだよ。



「 仁順、また明日ね。 」



オレは宏愛の自宅前まで車を走らせていた。

無意識でも
ここまで来れることに
ちょっと呆れてしまった。



「 宏愛… またな。 」



いつもと同じ笑顔にしたつもりだった。



「 なんだかなぁ。
私と離れるのに
仁順、嬉しそうだね。
明日教えてよね!! 」



「 何もないよ! 」



ニコッと笑い
宏愛に手を降って
車を走られた。