私がムッとした顔のまま音彩を見ていると



「 もしもし…
うん!
そう明日ね…
わかった!
しぃちゃんに
ちゃんと伝えるね。 」



音彩の明るい声からして
電話は大好きな公哉くんからだとわかる。


それに?


「 私に伝える? 」



「 そう!
しぃちゃん、
明日私たちと食事しようね。
きゃは!
楽しみだねぇ…
しぃちゃん!! 」



私は返事をしていないのに…
音彩は楽しそう。



「 私は行かないからね。 」



チャイムがなった。
その音が私には救いのチャイムだった。


音彩が言い足りないって顔をしているけど
私はそのまま
今日一日を早く終わられておきたかった。
だから、
音彩と一緒に過ごさないようにしていた。