あの目を見て オレは心が動いた 四ッ木を抱きしめたい けど… 今オレは四ッ木を抱きしめる権利があるのか? 自問自答していた。 イスの上に手袋が残っていた。 こんな寒い日に手袋をしていないなんて… 雪の中を走るなんて けっこう無謀かもしれない。 でも、 早くあたためてあげたい。 真っ白い街 今にも消えてしまいそうな四ッ木を見つけた。 一人で歩くのも辛そうな後ろ姿 崩れ落ちそうな四ッ木を 今すぐ抱きしめたくって走り続けた。 end