「 一桜里、
そんなタメイキばかりついてたら、
明日になっても仕事終わらないんじゃないか? 」


オレの声に体…
全身で驚いている。
声をかけたオレまで驚いてしまった。


「 そこまで驚かなくても…。 」


口から出てしまった言葉に。


「 あはは…。
ごめんなさい… つい。 」


照れ笑いしている。
その笑った顔も
いつもとは違うようにみえた。
だから、
しばらくボーッと見つめてしまった。


「 あの… 荻窪さん。
仕事してもいいですか?
今日中に終わらせたいので…。 」


「 あっ!ごめん…。
オレも終わらせちゃうかな。 」


一桜里の一言が
オレとの間に壁があるように思えた。

一桜里を
どうにかしたいわけじゃないのだけど…

うーん…
でも…
男として、どうにかしたいのかもしれない。

そんなことを思いながら
部下が作成した書類に目を通していた。