残業中なのに
ついつい出てしまうタメイキ。


はぁ…
あっ!まただぁ。

自分にイライラしてきた。


「 一桜里、
そんなタメイキばかりついてたら、
明日になっても仕事終わらないんじゃないか? 」


その声に体がビクッ!として
なんか悪いことをしていた子供のように驚いた。

私の様子を見て


「 そこまで驚かなくても…。 」


「 あはは…
ごめんなさい… つい。 」


とりあえず笑うしかなかった。

ずっと私を見ているから
どうしていいか
わからなくって


「 あの… 荻窪さん
仕事してもいいですか?
今日中に終わられたいので…。 」


「 あっ! ごめん…。
オレも終わらせちゃうかな。 」


私ちょっと冷たかったかな?
デスクに戻る荻窪さんの背中が
寂しそうに見えた。


もしかしたら
私のために一緒に残ってくれてるのかも?
なんて思ったら
仕事も早く進んだ。

もう、
タメイキなんかついてる時ではないのだ。



「 終わったぁぁ!! 」


私は自分でも驚くくらいの大きな声で!

もう、
手を上げてノビをして誤魔化すしかなかった。


「 おつかれ!
今日これから食事に行かないか?
もう8時過ぎてるし…。 」


荻窪さんに誘われたのは初めてで、
不覚にもドキっとしちゃったの


「 ありがとうございます。
予定ないですしいいですよ。 」


なんだか素っ気ない感じに伝わったかも?
ちょっとコワイ顔をして
私を見ていた気がした。