龍王と純情お姫様。


先に口を開いたのは、
風くんだ。


「ナツ…俺は別れるつもりないから。」


真剣に目を見つめながら
言われた。


「私のパパ…見たでしょ?ヤクザなんだ。私は組長の娘。」


「そんなの関係ない。
俺、ナツのお父さんに認められるまで諦めないよ。」


「ボッコボコに殴られるかもしれないよ?」


「それで認められるんなら構わないよ。ナツ以外無理なんだ。」


「風くん…。
私ね本当は…わがままで
口悪いし、手はでるし…

性格男みたいなんだ…」



「わがままくらいが丁度いい。どんなナツだってナツだろ。」



そう言って抱き締めてくれた。



やっぱり風くんは、
優しいんだ。



「風くん…」



「今日、ナツん家行こう。別れる気ないってはっきり言うから。」



「え…。」




「大丈夫だから。
ボッコボコになるきらい覚悟できてるよ?」



「そんな事させないよ。
私が風くんをパパから守る。」