龍王と純情お姫様。

日向


牧田 斗真。


この名前は、聞き覚えがある。


中学時代のある奴の名前。
授業をさぼった俺は
そいつの事をずっと考えていた。



「日向、転入生の牧田斗真。アイツじゃねーよな。」

一緒にさぼった寛人も
同じ事を考えていたらしいな。


「でも、アイツはあんな
爽やかな奴じゃねえだろ。
眼鏡もかけていたし。」


「だよな。
アイツがあんな爽やかに
笑うわけねえか。」



「あぁ。」



俺らの考えすぎだよな。




今更現れるわけねえか。