「はい、コレ。回ってきたよ。本当にこれで最後にしてね」
と、手紙を渡されながら念を押して言われた。
「う、うん。頑張る!」
あぁ、今私きっと変なこと言った。
一体何を頑張るのだか。
そんなことを思いながら、私は千絵から回ってきた手紙を読んだ。
《ねぇねぇ、氷川先生に彼女っているのかな?》
----ドクン
......何それ?
それって、もしかして千絵。先生にコクるつもりなの?
----ドクン、ドクン
ダメだよ。先生にはお姉ちゃんがいるんだから。
心臓が嫌な音を立てる。
私は勿論、お姉ちゃんを応援するつもり。
だけど、千絵は私の大事な親友だから悲しんでほしくない。
私は、ついさっき後ろの子に「もう手紙のやり取りはやめるね」と言ったばかりなのに、やり取りを続けようとした。
だから私は後ろを振り向いて謝った。
「ゴメン。やっぱりまだ続けるかも」
「え!?困るんだけど!!」
「ゴメン!!」
私が言うと、慌てて返事を書いた。
《先生カッコいいから、いるんじゃないの?聞いて見なきゃ分かんないよ》
そうだよ。先生には、お姉ちゃんがいるんだから。
私は、千絵が先生を諦めてくれることを祈って手紙を回した。
ゴメンね。千絵。
私には、千絵と先生の恋を応援することは出来ないの。
......でもね。別の好きな人が出来たら、そのときは絶対応援するから。
だから、今は諦めて......------



