『余の頼みも聞いてはくれまいか?』

ヴァンが言う。

「何だ?」

幸大が言う。

『是非ともダリシスを招きたいのだが…』

ヴァンが言う。


「最近、色ボケしてるわね。」

姫野が言う。

「気づくといつもおばあちゃんと一緒にいるし…」

クーニャが言う。


「私は構いませんよ?」

咲子が言う。

「だったら父も呼んで良いかしら?

最近構ってくれないって文句を言うから…」

姫野が言う。

「だったら私もおじいちゃんを呼んで良いかな?


春休みは実家に帰らなかったから寂しがってて。」

優衣が言う。


「別に誰を呼んでも良いですよ。」

幸大が言う。


「幸大さんはお父さんとか呼ばないんですか?」

沙羅が言う。


「絶対に呼ばない。」

幸大が即答する。

「よっぽど嫌いなんだな…」

マリアが言う。




ゾクッ!


「誰だ!!」

幸大が身構えて周囲を見回した。


「どうかしたの?」

姫野が言う。

「また…何か寒気が…」

幸大が言う。

「気のせいじゃないかにゃ?」

クーニャが言う。

「いえ…確かに人の気配はありました。」

咲子が言う。

「でも…どこに?」

沙羅が言う。

「わかりません。

いるのはわかりましたが…気配に掴み所がないので…

近くに居たということ以外は…」

咲子が言う。



「お花見…

ふふふ…貴方は花ではなく私だけを見ていれば良いの…


あの王子様の周りの雑草は抜かないとね…

ふふふ…」