「バラバラになって探しましょう。」

咲子が言う。

「その必要はないわ…」

アゲハが言う。

「ちょっ、ちょっと…背中の上で立たないでよ!」

クーニャが言う。


「こちらの方角から幸大様の気配がするわ。」

アゲハが言う。

「お前、そんな能力があるのか!?」

マリアが言う。

「うふふふ…

主に、勘よ。」

アゲハが言う。

「あんたの当てずっぽうに従って大丈夫なの?」

姫野が言う。

「勘をバカにしないでくれる?

そこら辺の人が言う当てずっぽうじゃないわ。

私の経験や感覚の全てが導き出す答えなのよ?

咲子さんが自分の周囲の気配を読むように…私は幸大様の気配だけを常に探しているのよ…

一定範囲内ならすぐに感知できるのだけど…

一度気配を逃したら正確な位置は掴めなくなるわ。

だから方角だけしかわからないわ。」

アゲハが言う。

「なら…こちらの方角で徒歩圏内。

そして…殺人や暴行を行えるような人目の少ない空き地。

たくさんはない。


順番に見ていくべきだと思う。

手分けして少数で探せば焦って見落としてしまうかもしれないからな。」

華乃が言う。


「皆さん…以外に冷静ですね…」

沙羅が言う。

「こういうときこそ冷静に…っていうのは基本よね。」

優衣が言い聞かせる。


「私のせいで…ごめんなさい。」

朱鳥が言う。

「謝るのは幸大さんに直接どうぞ。」

咲子が言う。

「行くわよ。」

姫野たちは幸大の捜索を始めた。