離陸から30分くらい経った頃



「動くな!!」


数人の男が立ち上がり前方へと出る


「キャァッ!!」

男たちが銃を取り出す



「この飛行機は俺たちがハイジャックした!


死にたくなければおとなしくしろ!!」




「ど…どうしよ…」

優衣が言う


「まぁ…流れに任せるしかないと思いますよ?

幸大君はこんな状況でも寝てますし…

何よりも面倒だから何もしないでしょうし。」

華乃が言う


「ごちゃごちゃ、うるせーぞ!」

「ちょうどいい。

こいつらを人質にするぞ、立て!!」

男たちは優衣と華乃をつれて前に出ると銃をこめかみに突きつける


「一人でも余計なことをしやがったら撃ち抜くぞ?」


男たちが言う


「ふぅ。

一時はどうなるかと思ったが、思いの外早く解決しそうですね。」

華乃が優衣に言う


「うん。」



「何を喋ってんだ!!

人質の意味をわかってんのか!?」

男が声をあらげる

「我々を殺すよりも、彼を起こす方が先ではないだろうか?」


華乃が幸大を指差す


「ん?

おい、起きやがれ!」

男の一人が幸大を起こす


「着いた…わけじゃなさそうだな。」

幸大が言う


「見ての通り、私たちは脅されているのだが…」

華乃が言う


「そうか。

事情はわからねぇけど…」

幸大が立ち上がる


「動くんじゃねぇ!」


「黙れ。」

ギンッ!

「ひっ!?」

金色の瞳に男がビビる


ヴンッ!


「な!?

消えた?」


「こっちだ。」

ドコッ!

バキィッ!


華乃と優衣に銃を突きつけていた二人を殴り飛ばす


「華乃、優衣。

大丈夫か?」


「ああ。

問題ない。」

「私も大丈夫。」


「じゃ、一気に行くか。」