「…。」

華乃は一度、強く拳を握るとすぐに手の力を抜く


「私を甘く見てもらっては困るな。


私が頭も悪く、低俗な身分も低そうな男性と付き合うわけがないじゃないか?」

華乃が言う


「華乃ちゃん…」

優衣が驚く


「あら、そうでしたの?

てっきりそうなのかと思ってましたわ。」


「私にだって相手を選ぶ権利はある。

私だってバカな者や愚かな者は好きではない。」

華乃が言う


「もしこの方が本当は彼氏さんで、私たちの前で見栄を張ってしまい別れるようなことがあったら…と心配しましたが…大丈夫みたいですね。」

女性がわざとらしく言う

「私は男女関係なく、低俗な人間が大嫌いなのだよ。」

華乃が言う


「では改めてお聞きしますが、こちらの方は?」



「まだ分からないなんて、君たちは相当落ちぶれたモノだな。



彼は、私の彼氏だ。」


華乃が勝ち誇ったような自慢気な顔で言う


「は?

あなた…今、こちらの方は彼氏ではないと言いましたよね?」

女性の顔がひきつる

「本当に君たちはバカで落ちぶれたモノだな。


頭の悪い、低俗で身分も低い男性は彼氏ではないと言ったが、


…幸大君が私の彼氏ではないなどとは言っていない。」


「な!?」

女性たちの顔色に怒りが混ざる