「存在の証明?


バカか?



存在を証明する必要がどこにある?


俺は俺だし。


例え俺が誰かのクローンやコピー、偽物でも…俺が俺なのは変わらないだろ?」


「偽物でも?」

「ああ…偽物の俺は俺だけだ。


偽物がどれだけの数居ようと、俺が俺なんだ。」



「…。」



「それに…俺がここにいること、存在していることを証明しなくても…


こいつらは知っててくれてる。



こいつらが知っててくれてるなら俺は他の誰かに存在を証明してまで知ってもらう必要はない。」


「…そうか。」

「大事なのは存在の証明じゃないだろ?

そこにいる存在の証明されてない『何か』が『何なのか』が大切だろ?



俺は自分が誰なのかなんてのはどーでもいい。


哲学は苦手だから…何て言えば良いかわからないけどさ…


例え、俺が本当にここに居なくても…

俺が存在しない存在でも…




関係ないんだよ。


自分が何になりたいか、何をしたいか、何者になりたいか…

それを強く思えば良かったんだよ。」


幸大が言う。



「ふっ…

ある意味、貴様は王であろうとした余などが足元にも及ばぬほどに王の器やも知れんな。」



王が言う。