「うっ…

そうだよ…俺が悪いんだよ…」

幸大が落ち込む。


「まったく…あれ以来すぐに落ち込んだり、やる気なくしたり、ネガティブになるわね…」

朱鳥が言う。


「でも…やっぱり弱点は克服するべきだろ?」

マリアが言う。

「克服すると言っても…具体的にはどうするのだ?」

華乃が言う。

「翡翠と黄昏の能力は早い話が幸大の欲望を増幅させて理性を壊すんでしょ?


だったら…簡単には壊されないほどの強靭な精神力を身に付けるか、

幸大の欲望を無くせばいいんじゃない?」

姫野が言う。

「そもそも…幸大君はあの時キスした人たちに欲情したんだよね?」


クーニャが言う。


「欲情って…それとはちょっと違うし…」

幸大が言う。


「仮に幸大君が欲情したせいだとして、欲情させない方法などあるのだろうか?」

華乃が言う。


「去勢かしら…ふふふ。」

アゲハが言う。


「な!?」

幸大が怖がる。


「幸大君…大丈夫だよ?」

優衣が言う。


「そうですよ、吸血鬼なら再生しますよ…きっと。」

沙羅が言う。


「待て…。

斬られるのが前提じゃねぇか!


そして、きっとってなんでそんな不確かなんだよ!!

逆に怖くなるって!!」

幸大が言う。

「あの…」

咲子が言う。


「瑠奈さんに聞けば早いのでは?


瑠奈さんも同じく能力を使いこなしていましたし。」


咲子が言う。

「でも…今までそれっぽくは何かと言ってたけどはっきり教えてくれたことは無いわよ?


なのに、教えてくれるかしら?」

姫野が言う。


「吸血鬼の王が幸大さんを襲ったという事実、そして、幸大さんの弱点がそれであること。


それを知って、それでも意地悪をするようには思えませんが?」

咲子が言う。


「何だかんだ言って、お母様は幸大のことをかなり気に入ってるもの。


ただ、弱点克服とか理由つけて幸大に手を出すかも知れないから気を付けた方が良いわよ?」

朱鳥が言う。



『なら、今から向かおう。』

ヴァンが沙羅の鉄血の髪飾りから話す。


「いきなり出てくるとびっくりするにゃ〜」

クーニャが言う。


『驚かせてすまぬな。


ちょうど今、ダリシスと瑠奈と茶を飲んでいたのだ。


我々も暇だからな。

今、すでにそちらに向かって移動中だ。』

ヴァンが言う。