「他に誰がいるんだ?」

マリアが言う。

「あの窓際から儚げに外を見つめる美少女、

楠木、朱鳥さん!」

行正が指差す。

「あれ?

あいつ…」

幸大が見覚えのある姿だと気づく。

「確か…瑠奈とか言う人の娘よね。」

姫野が言う。

「幸大君を悪人って言った人だ!」

クーニャが言う。

「…!?」

その瞬間、朱鳥もこちらに気づいた。

ガタッ!

朱鳥が勢いよく立ち上がりこちらに近づいてきた。

「見覚えがあると思ったら…女たらしの岡田幸大じゃない?」

朱鳥が大きな声で言う。


教室に響いた声が幸大たちに注目させる。

「女たらしとは心外だな。」

幸大は冷静に答える。

「人の親をたらしこもうとしたじゃない。」

朱鳥が言う。

「瑠奈が俺をたらしこもうとしたんだ。」

幸大が言う。

「それはどうだか?」

朱鳥が言う。

「そう言えば…お前は眼の色が黒いんだな…

瑠奈さんは黄色い眼…いや…黄昏って雰囲気の眼だったが?」

ガタッ!

朱鳥が一歩下がり、後ろにあった机にぶつかった。


「な…何のことかしら?

とにかく…

女を侍らしていい気にならないことね!!」

そう言って自分の席に戻った。