しばらくして




「あれ…?」

幸大が目を覚ます。

「起きた?」

姫野が膝枕をして幸大の頭を撫でていた。


「そうか…寝ちまったのか。」


「どこまで覚えてるの?」

姫野が言う。

「全部だ。

一緒にいたいって言って寝た場所までキッチリと覚えてる。」

幸大が言う。


「そう…」

姫野が小さく笑う。


「学校祭は?」


「もうほとんどのクラスが後片付けを始めてるわ。

グラウンドではキャンプファイヤー用の木が運ばれてきたみたいよ。」

姫野が言う。

「俺たちのクラスは?」

「材料も切りの良いところで無くなったらしいわ。

だから、後片付けの最中。


朱鳥がさっき幸大に助けを求めに来たけど、寝てたから華乃を引っ張って行ったわ。

沙羅は自分のクラスの後片付け。

咲子は沙羅の護衛。」

「姫野は何でここに?」

「あんたが甘えてる状態の時にノータッチだったから、だそうよ。

先生もさっき様子を見に来たから代わろうかと思ったら

『もし幸大君が甘えんぼだったらこれ以上やられたら萌え死にしそうだから…』

って半分妄想に浸りながら言ってたわ。」

姫野が言う。