「ん…」

幸大のあぐらの膝枕で寝ていたマリアが目を覚ました。

「おはよう。」

幸大が言う。

「…あれ?

ここは?」

「花見会場。」


「あ…そっか…

確か…朝方に起こされて、着替えて…


そのあとの記憶がないぞ?」

マリアが言う。

「お前は二度寝したからな。

だからおんぶして連れてきた。」

「そうか…

ぐー…」

「寝るなよ。」

幸大が言うが返事はない。


「よっと…」

幸大が首の後ろに手を回してマリアの頭を持ち上げた。

ちゅっ。


「ふひゃあっ!?」

マリアが飛び上がる。

「な、ななな、何してんだ!!」

「中々起きないからイタズラを。」

「寝込みを襲うなんて卑怯だぞ!」

「半分は起きてただろ?」

「微睡んでたんだよ!!」


「二度寝って言うか三度寝をしようとしたからお前が悪い。」

「だからって寝てる奴をいきなり…」

「じゃあ…起きてるなら良いんだよな?」

「うわっ!」

立ち上がっていたマリアを引っ張りあぐらをした足の上に乗せる。

「マリアとのスキンシップが最近無かったし…」

ぎゅっ。

「だ、だからって…」

「嫌か?」

「そーじゃなくて、人前で…」


「嫌じゃないんだろ?


それにマリアは暖かいから気持ち良い。」