某日


「準備も順調みたいね。」

優衣が言う。

「そのぶん、怠けたりサボっている者もいるみたいだがな。」

華乃が言う。

「サボっている奴って?」

幸大が言う。

「彼らだよ。」

華乃が見た先には佐藤とその取り巻き。

「あれ?

あの人たちはマリアの手伝いのはずじゃないかしら?」

アゲハが言う。


「マリアちゃんは今、外で露店を組み立ててるよね?」

クーニャが言う。

「あんたたちも仕事しなさいよ。

マリアの方は私があいつらに言うから。」

朱鳥が言う。

「その必要は無いんじゃない?

幸大が居ないわよ。」

姫野が言う。

「いつの間に!?

こう言うときは行動が早くて助かるわね…」

朱鳥が小さく笑う。

「あれ?

朱鳥ちゃん何かいつもと違うにゃ〜」

クーニャが言う。

「えっ!?

そ、そう?」

朱鳥が慌てる。

「朱鳥君…その首の傷痕は?」

華乃が眼鏡をクイッとあげながら言う。

「あ…あの…これは…」

「幸大様もいないし…」

ガシッ。

アゲハが朱鳥を掴む。

「しっかりと話を聞かせてもらうわよ?」


姫野が言う。


「ちょっ、あの…先生、助けてください!」


「私も…ちょっとだけお話しを聞きたいなぁ。」

優衣は笑顔だが明らかに怒気を感じ取れた。


「いやぁぁぁぁ〜」

朱鳥の断末魔が響き渡る。