「それより、皆はもう朝に配った進路調査表は書いた?」

優衣が言う。

「あ…そう言えばもうそんな時期ですね。

幸大さんは進路は決まってるんですか?」

沙羅が言う。


「まぁ…俺は卒業したらVAPの会社に入るんだ。

VAPの社長から是非って言われてるしな。」

幸大が言う。

「あの…幸大君。

就職だけが進路じゃないのよ?

幸大君の頭ならイケる大学もいくつもあるし…VAPの会社だけじゃなくていろいろな会社に就職もできると思うの。

だから将来の道を一本に絞らないで…現実だけを見るよりも夢って言うか…やりたい事をできるような進路を選んだ方が良いと思うの。」

優衣が真面目な顔つきで言う。



「いや…俺は特になりたい職業も無いし…


それに…俺が将来やりたい事は…

その…結婚と言うか…皆と一緒に居たいってこと以外はないし…」


幸大が照れながら言う。


「あぅ…」

優衣が顔を真っ赤にする。

「優衣?」

「幸大君!!」


ガバッ!

クーニャが抱きつく。

「な!?」

「私も、たまには…」

ぎゅっ。

華乃も幸大に抱きつく。

「私としたことが先を越されましたわ。」

アゲハも抱きつく。


「なら、私も。」

ぎゅっ。

クーニャや華乃ごと幸大に姫野が抱きつく。