某日


昼休みの屋上

幸大たちは屋上のわずかな日陰に居た。

「まだまだ暑いわね…」

姫野が手で仰ぎながら言う。

「地球温暖化だねぇ〜…」

クーニャはダルそうに言う。

「温暖化と言うよりは時期がずれただけじゃないですか?」

咲子は普段通りの涼しげな顔で言う。

「そうだな。

今年の夏の始めは天気も不安定で気温もあまり上がらなかったが…今になってこの気温だ。」

華乃が少しだけ汗を浮かべながら言う。

「暑い〜」

マリアが日陰に寝そべる。

「それでも、こっそりとは言え屋上に出てるから涼しいわ。」

朱鳥が言う。

「校舎内は人も多いですから外よりも暑いですよね。」

沙羅が紙パックのジュースを飲みながら言う。

「それよりも…幸大だけ涼しげよね…」

姫野がジトッとした眼で見る。


「いや…これは俺がやれって言ったわけじゃねぇんだよ…」

幸大は優衣とアゲハに団扇で扇がれていた。


「幸大様に尽くすのが私の幸せですもの。」

アゲハが幸大を仰ぎながら言う。

「私も好きでやってる事だし…」

優衣が言う。


「つーか…お前らの居る日陰は俺が作ってやったんだろ!!」


幸大は鉄血で作られた屋根と4本の柱を指差す。