「ありがとう。」

「え?」

母親の感謝の言葉に幸大が呆気にとられた。


「この子…貴方に会うまで学校の話をするどころか笑わなかったのよ…

だから、貴方には感謝をしてるわ。」

母親が幸大の手を両手で包み込む。

「これからもアゲハをよろしくお願いします。」


「な!?

お母様…何を…」

「任せてください。

アゲハは一生大事にしますから。」

幸大が言う。


「幸大様!?」

アゲハは顔を真っ赤にして慌てる。


「幸大〜?」

ガシッ…

姫野が力強く幸大の肩を掴む。

「痛い!

姫野、痛いです!」

幸大が言う。


「詳しい話は家に帰ってからにしましょうか。」

咲子が後ろ襟を掴んで引っ張る。

「首が、首が絞まるから!!」

「幸大君には躾が必要だよね〜?」

クーニャが言う。

「いや、もう十分だから!」

「躾と言うよりは調教だと思うが?」

華乃が言う。

「もっと嫌だよ!!」


「なら、お仕置き?」

優衣が言う。

「変わらねぇよ!!」

「男なら諦めろ。」

マリアが言う。

「諦めたらそこで終わりなんだよぉ〜!」

幸大が引きずられて行く。


「騒がしくてすみません。

私たちはこれで失礼します。」

朱鳥が言う。


「あの…色々とめちゃくちゃにしてすみませんでした。」

沙羅が言う。

二人も幸大たちを追いかける。


「アゲハ…貴方も行きなさい?」

母親が優しく微笑む。


「お母様…

はい。

夕食までには戻りますわ!」


アゲハも幸大たちを追いかけていった。


こうして1日が過ぎていった。