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中学時代、日本人とは異なる容姿を持つがゆえ好奇の目に晒され、厳格な性格を持つがゆえ煙たがられ距離を置かれ。
気付けば少年は孤立していた。
それでも自分が孤独だと思いはしなかった。
何も感じない、何も。
勿論、陰口を叩かれる事はあっても陰湿な嫌がらせや暴力を振るわれる事がなかったのは幸いだったが。
そもそも彼が“孤独でなかった”時期自体、存在しなかったのだ。
周りに頼る事も、自分以外の誰かを受け入れる事も、相手を拒絶する事さえ。
どれ一つとして知らぬまま生きてきた。
だからこそ少年は人一倍、否、常人の何倍も強く、脆い子だった。
その心には誰も踏み込ませず、誰にも触れさせたりしない。
無傷でいるのが強さではないというのに。
誇り高く、けれど傲っていた訳ではない。
ただただ、感情というものが枯れていた、渇いていた。
それゆえだろうか、あの男に憧れたのは。
少年が高校に入学してから、もう二年近くになる。
生真面目で不器用で、しかし常に暗い陰を纏っていた彼を、この学園は迎え入れてくれた。
入学式の丁度その日、一人の男が声を掛けてきた時の事を、少年は今もはっきりと憶えている。
初対面の新入生に対し、男は朗らかな笑みを浮かべて言ったのだ。
『お前、生徒会に入らないか』
奇妙きてれつ極まりないこの男が生徒会長その人だと知ったのは、それからすぐの事。
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