気難しそうなオバサンが教室を出ていき、クラス中が安堵のため息を漏らす。

みんな俺のような報いを受けるのが恐ろしく、緊張していたのだろう。


「おい流川~」


名前を呼ばれ振り返ると、クジを引くときに急かしてきた奴がいた。

よくよく見ると、坊主頭に薄い顔と、特に印象もない。

こりゃ覚えてないのも無理ねーな。


「お前さ、なかなかやるな」

「は?何が」


坊主は若干興奮ぎみに話しかけてくる。


「真辺さんだよ、真辺さん。相当可愛いだろ?男らみんな、あの子の隣を狙ってたんだよ」


なるほど。

まぁ確かにすんごい美少女だな、パンツ白だったし……。

しかしその輩は、あいつが相当変人であることを知っているのだろうか。