あたし以外はみんな職員室に行ってしまった。

やじ馬ばっかだな。

お弁当を片付けて一息ついた。

「はぁ…」

眼鏡を外して机に伏せた。

その時だった。

ドーーーンッ!

教室のドアの方で大きな音がした。

どうでもいいからそのままふせていると

「オラァ!どうだ!!俺は北条桐様だああああ!!!!!」

北条桐?知らない名前だ。

転校生?

どうでもいいけどこの人あたし以外いないってことにまだ気づいてないんだろうなぁ。

「………」

どこもかしこも馬鹿ばっかり。

「………」

とたんに静かになって仕方なく顔をあげると男は真っ赤になって立ち尽くしてた。

てかやっぱドア壊してるし…。

あたししーらないっ。

「な、なんだよ!誰もいねぇのかよ!?」

「………」

あたしいるんだけど…。

「あっわっ、そうじゃなくてお前しかいねぇのかよ!?」

言い直さなくてもいいよ、別に。