「もう、疲れた」

「……そっか。じゃあ、
今までありがとう」


別れはあっさりしていた。

これは私がいけない。

……ううん。


──わざとなの。


「竜。ありがとう。幸せにね」

私の声は、病室に響いた。




私、病気なの。

竜と付き合ってから、知って。

だから、竜が私を嫌いになるように。

竜が私から離れるように。

私はわがままを沢山言ったの。


それで、さっきフられたの。

これでいいの。

ツラいけど。


竜に闘病姿なんか見せたくないの。

竜は、わがままで自分勝手な私しか知らないから。

弱々しい姿は嫌なの。