泣きじゃくる舞子の耳に飛び込んだのは、青年の声。


「誰…?」


茶色の髪に人懐こい笑顔を浮かべた青年は、おびえる舞子の頭を撫でてこう言った。



「覚えてないの?今日から君は僕の犬。君は僕が飼育してあげる」



犬?


飼育?



「はい?」





止まらなかった涙が、睫毛から一粒ぽろりと落ちた。