「慧太が死んで今日で3年か」
「…うん」

 3年前の今日、2月14日に慧ちゃんはあの交差点で交通事故にあって死んだ。
 僕たちは幼馴染で、恋人だった。
 あの日、僕たちはバレンタインだからと言って僕の部屋で僕のつくったチョコレートケーキを食べる予定だった。慧ちゃんは部活があったから、僕は先に帰ってケーキの仕上げにかかった。思いの外遅くなった部活。急いでいた慧ちゃんに、トラックが突っ込んだ。トラックの運転手は居眠り運転だったらしい。慧ちゃんは病院に運ばれたけど既に手遅れで、そのまま帰らぬ人となった。
 その日から僕はこの交差点、慧ちゃんが事故にあったところに作ったチョコを置いている。

「いつまで続けるんだ?」
「ずっと」
「そっか…」

 それからまた、沈黙が舞い降りる。

「じゃぁ、僕こっちだから」
「あ、あぁ」

 分かれ道で和志と別れる。

「悠!」

 少し歩いたところで和志に呼ばれる。

「慧太、嬉しいと思うぞ!チョコ!」
「……っ当たり前じゃん」



「ありがとう」



 和志に聞かれないようにぼそっと言う。何を言ったのかとか言ってるけど聞こえないふり。そのまま帰路に着いた。
 ずっと不安だった。毎年チョコを押しつけて、慧ちゃんは迷惑がっていないかと。和志にはその不安が伝わっていたらしい。

 来年はブラウニーをつくろう。ついでだから試作品は和志にくれよう。いまから来年の事を考えて少し楽しくなる。





END




あとがき
はいっ
バレンタイン関係ない^q^
しかも終わりがかなり中途半端になたorz

慧太×悠です。
和志×悠ではないです。
和志は2人の親友です。
2人が恋人だと知っても友達でいてくれて、いい相談相手で保護者的な存在です。
悠も和志を信頼してますがお互いに恋愛感情は全くありません。悠は慧太一途。
ついでに言うと和志には片思いの相手がいるという裏設定があったり…

バレンタイン小説を書きたかったのに何故かこうなった。本当に謎です←