そのこともあってか、 「この森には近づくな」 村の人たちは誰もがこう口にする。 現に、 森の近くには家らしきものも何もない。 人間がいたという形跡すらない。 夏だというのに薄暗く、肌寒い。 同じ村だとは思えないほどの雰囲気。 長い間きっと近寄る人間はいなかった。 それが一瞬にしてわかるような場所。