偶然にもまた乃愛に会えた
ことが嬉しくて、俺はすぐに
乃愛に話しかけていた


『ね、俺のこと覚えてる??』



乃愛はきょとんとした顔を
していたが、何かを思い出
したように「あぁ!」と言った

「ぇと、さっきはありがとうございました。」



どうやら、俺のことは覚えて
いないらしい


『それは、どういたしまして。でも、そうじゃなくてさ。
俺 遠野尚輝 なんだけど、
本当に覚えてないのか??』



乃愛に思い出してほしくて
半分、祈るように問いかけた



「え…??」



頼む、思い出してくれよ―…