あたしが立ち上がると
そのまま翼くんがあたしの
手を握った
「翼くん??」
翼くんは少し寂しそうに微笑むと
あたしの手を引いて窓際に
導いた
空は漆黒の闇に染まり
その中に浮かぶ月だけが
あたし達を照らしていた
どうしたのかな??
しばらくの間、沈黙がその場を支配した
そんな空気を最初に破ったのは翼くんだった
『……乃愛さん、腕はもう
大丈夫ですか??』
「えっ……??
あ、うん、もう平気だよ」
『そうですか、
――悠弥には会えましたか??』
「……へ??」
突然すぎる問いかけに
あたしは一瞬、思考が停止した

