――夢を見ていた
お父さんとお母さんと3人で
初めて海に行った夢
お父さんを追いかけて海に
行ったあたしは追いかける
ことに夢中で
疲れて足を止めたときには
足がつかない所にいた
必死で腕をバタバタさせても
逆にどんどん体が沈んでいく
助けてという言葉が声にならなくて
ついに力尽きてしまった
溺れかけたあたしを助けてくれたのは……
『……、の……』
誰かに呼ばれたような気が
して目を開く
「ぅ~ん……」
『あ、起きたか??』
「尚ちゃん??」
『穂積さんが夕飯の用意
できたからおりてこいってさ』
「えっ!?」
窓の外を見ると空はすっかり
暗くなっていた
あたしずいぶん寝ちゃってたんだ

