パパもママも晴久くんがくると楽しそうで。
お酒も入ってるから声も大きくなってくるし、
明日学校な私は11時半には切り上げて二階の部屋に戻った。


「 晴久、お前は結婚とか考えてないのか?
今は彼女もいないんだろう?
客とかにいないのかよ! 」


「 いないなぁ。
客はそんな目でみたことないよ。
そんなふうにみてたら、
疲れちゃって仕事にならないよ。 」


おっ!
彼女いないし。
お客様にも気になる人はいない!
よしよし、私がんばれ!


なんてパジャマに着替えて三人の会話を聞いていた。


「 大輔、オレ好きな子はいるんだ。
かなり前から、
まあムリなんだけどさ。 」


えー、
好きな子いるのぉ?
頑張れるかな、私。


「 大輔くん、
私、晴久くんの好きな子知ってるかも。 」


「 希美、それって誰なんだ? 」


「 晴久くん、
たぶん合ってると思うんだけど…
うちのなっちゃんでしょ? 」


ママの言葉のあと静まりかえっている一階。

私は部屋のドアの前に座り込んでしまった。

わ、わたし?
ホントに?
ママ、それは違うでしょ?
晴久くんに違うと言われたら私立ち直れないかも…。


「 晴久くん、なんで私がそう思うかと言うとね。
なっちゃんがメイクとかの仕事したいって言い出した時に、
自分の店にバイトさせたいって大輔くんに頼んでた姿が、
晴久くんは、なっちゃんのこと女性として好きなんだなぁって。
私たちと同い年の人と、なっちゃんが付き合うのは、正直イヤだけど。
でも晴久くんなら私許せちゃうかなぁ。 」