オレ、夏伊。
今とりあえず彼女っていうのは、
いないんだけど…いないんだよなぁ。

でも、
隣に住んでいる幼馴染みの純絵がさぁ。
オレを彼氏だと言ってる らしく、
だから誰もよりついてこないんだよ!


小学生の頃からずっと一緒にいたから、
好きというか…
好きの種類が違うのにも気がつかないでさぁ。
キスとかしちゃったけど。
したあと好きが違うってシッカリわかった。

だからそれ以上はないし、彼女にすることもない。

あー、
まちがいなく大好きって女子に出会いたいなぁ。


「 夏伊、今日部屋に行ってもいい? 」


朝から顔を赤くして聞いてくる純絵。
なんだかイヤな予感がした。


「 いつも勝手にくるくせに、どうしたんだ? 」


「 一緒にいたいから! 」


オレは寒気がした。
ずっと一緒にいる純絵のことを、
はじめてこわいと思った。


「 ねぇ、夏伊は
私のこと好き? 」


オレは返事をわざとしなかった。
いや、返事ができなかった。


「 答えてくれないんだぁ…。
今日、夏伊と同じクラスの柳くんから告白されたんだ。
夏伊は、どう思う? 」


オレは雑誌をみながら


「 純絵がいいと思うから付き合ってみたら?
オレに止める権利ないし。 」


純絵は何も言わずにオレの部屋を出た。