バイトがちょっと長引いた帰り道。

一人で歩く帰り道。

なんかやっぱり見られてる気がする。
こんな時にやっぱり誰かにつけられてる。

どうしよぅ…こわい。

とにかく人がいるところへ急がなきゃ。

あのカドを曲がったらコンビニがある。

急いで!!
私が走り出したら、
後ろからも走ってくる足音。


コンビニ!!
あのドアの向こうには誰かがいる。

ドア…


あと少し…


「 いやぁ…! 」


ドアに手をかけた私の手をつかんでいる知らない男性。この強さは男性だとわかる。


私の声にコンビニから人が出てきた。
私の手をつかんでいる男性をつかまえて、
私から放してくれた。


私をたすけてくれた人の顔も。

私を追いかけてきた人の顔も、
まだ見ていない。


コンビニの店長さんから缶コーヒーをいただいて、
まだこわいのか手が震えて缶を開けることも出来ないでいた。


「 もう大丈夫だよ。
警察がきたから。 」


その声に顔をあげると憲房くんだった。


コンビニから
たまたま私の帰る姿を見かけた時に
後ろを歩く男がいたんだ。

私を見かけるたびに気にはしていたんだと話してくれた。


「 だから私を見かけると憲房くんがいるって、
麻美ちゃんが言ってたんだね。 」


「 ありゃぁ、
見られちゃうんだね。
あの男をみたときから東雲さんが気になって。
警護してるように見ていたからね。 」


私は、その言葉に笑ってしまった。


「 東雲さん、
いつでも笑っていてね。 」


この笑顔と言葉に、
きゅん!とした。


あれ?
あれあれ?

きゅん!


私、こんなにきゅん!として…
もしかして…。





end


2012/03/05