キミとの距離。



キーンコーン...。


「よしっ、授業終わりーっ!!」


そう叫んだのは、田上 洸樹 (タガミ コウキ)。

塾のメンバーのムードメーカー。


「じゃあ、バレンタイン楽しみにしてるよっ」



そう洸樹はこっちを見てニヤリとしてから、

教室を飛びだしていった。


「ねえねえっ、洸樹ってさ、

亜貴のチョコ狙ってるんじゃない?」


「ち、違うでしょ。

あげるとしても義理だよ、義理。」

(だって本命は亮介君だもん。)

そう心の中で付け足して、後ろを振り返ったら



亮介君と目があった。