「あれ!佐藤さん!!」

帰り道。
対向先から歩いてきた人に声をかけられた。

暗くてよく見えないけど、声の持ち主的にクラスメイト。

「おれおれ!黒崎!」
「あっ、黒崎くんだったかー!暗くて見えなかった!」

クラスメイトの黒崎くん。
あまり話したことはないけど、人懐っこい人なのは知ってる。

何してるの?っとそこで立ち話が進む。

「今、塾の帰り〜。佐藤さんは?」
「私は部活帰り」
「バスケ部だっけ?」
「うん。下手っぴだけどね」

シュート全然入らないのと自笑すると、黒崎くんはそんなことないよって言う。


「たまに体育館で見るけど、頑張ってるの知ってるよ」

だから頑張って、て私の頭をわしゃわしゃに撫でた。

急な彼の行動に思わず赤面する。

黒崎くんてあんまり話したことない女の子の頭撫でちゃう系なの?
人懐っこいにしても近過ぎない?

そんな私の様子に気づかない彼だったけど、ふと横にいる川村が視界に入ったみたいで。

「…彼氏?」

なんて、気まずくなるセリフを投げてきた。