チュッ。
唖然としてるあたしの唇に軽く触れ、スーツの内ポケットから出した折り畳んだ紙を何の戸惑いもなく開いた。
「ほらサインして。」
ちゃっかりあたしの右手にはペンを握らせて。
「印鑑持って来た?」
あまりの展開についていけない。
ヤバい。
白目剥きそう。
「だよな~印鑑ある訳ないよな。」
あたしを置いてけぼりにして智幸はブツブツ言いながら事を進めようとする。
確かに!未練タラタラだったよ。
今だって智幸の事好きだし。
けどさ今の話で、何で婚姻届書く流れになっちゃってるの?!
マジでついていけない・・・。


