夜景が見えるレストランで食事してると突然照明が落ちて、あたし達の席だけに僅かな光が当たってる。
彼があたしの左手を取り、薬指に光るリングを付けて言うの。
「愛してる。結婚しよう。」
あたしは瞳を潤ませて「一生愛してるわ。」彼のプロポーズを受け入れると、店内に居た他のお客さん達から盛大な拍手に祝福される。
あたしだって女だ。
サプライズとかロマンチックとか。
乙女心はあるんだ。
「・・・。」
「・・・。」
「はいっっっ?!」
智幸が言った事に理解するまで数分かかり、漸く出た言葉は乙女の欠片もなかった。


