智幸の顔を伺おうと少し腰を後ろに引いたけど、それは許されなかった。 「うをぅっ!起きてるじゃん。」 「・・・。」 「ねぇ聞いてた?」 「・・・。」 黙りですか? 「いい加減離して欲しいんですが。」 「・・・。」 「何でさっきよりも強く締めるかな。」 はぁー。 何も言わないってのは、そういう事だからなんだね。 漸く解放される。 最後まで戦い終えて吹っ切れたよな気もする。 ありがとう、なんて今までの思い出に感謝なんかしてやんない。 ごめん、って何度も謝って罪悪感と悔いを千載に残せばいい。