この家にあたしと智幸だけ。 彼女も居ない。 生活感のない、物が何も無い部屋。 彼女の家ではないと思う。 もしかしたら彼女だって知らない場所かもしれない。 それだけで優越感と虚しさが同時に襲う。 そっと近寄り智幸の顔面に掌をかざした。 「生きてる。」 「勝手に殺さないでくれる?」 「ひっ!!」 寝てると思ってたのに起きてやがった。