ぜぇ、ぜぇ。
中学の時はテニス部だった。
初回戦敗退が当たり前なうちの部に、勝つための努力なんて時間はなかった。
ネットを挟んで楽しくお喋りしながら過ごした中学時代の放課後。
高校は専ら帰宅部。
大学に行ってもサークルや同好会に入らなかったけど運動部なんて以ての外。
運動から遠くかけ離れた生活の上、真っ黒けっけな肺。
酸素不足所か呼吸さえまともに出来ない程走った。
「はっはっっ。」
膝に手を付き息を整えようとするも、上手く吸えない。
「おぇっ!」
喉の奥の方で粘膜同士がくっ付きそうになる。
明日には確実に筋肉痛で悲鳴を上げてるだろう足をフラフラ動かしロッカーの番号を探した。


