「・・ずる、い・・・・。」
こんなのズル過ぎる。
あたしに内緒でケーキ買って。
大好きなチョコレートケーキ買っちゃって。
名前まで入れちゃって。
涙は止まるどころか、どんどん溢れてくる。
「せこいよ。こんな優しさ。」
愛しさと同時に虚しさも沸き上がる。
あまりにも嬉しくて飛び上がりたい反面、八つ当たりも撒き散らしたくなる。
やっぱり素直じゃないあたし。
「うう~!」
唸っても溢れる気持ちは押さえられず、
「うがっ!食べてやる!!」
おもきりプレートに噛みついた。
パキンッ。
勢い任せで口に含むと真っ二つに割れ『おめでとう』ってゆう文字が強調されたように見えた。


