アルコールのせいか眠りが浅かった。 外はまだ真っ暗で、電気の光が眩しい。 潰れた空き缶からは炭酸が抜けたビールが溢れたまま。 部屋中がアルコール臭い。 いや、自分からもアルコール臭がする。 クンクン。 腕とか嗅いでみても立派なアルコール臭が漂う。 「はぁ~・・・。」 やっぱり智幸は帰って来てない。 パリパリする頬を撫でると痕があった。 カラカラな喉を潤すために冷蔵庫に向かった。 「やっぱこれが現実よね。」 どんなに泣いたって、1人で泣いたって、 智幸は居ない。