「美奈子!!」 乱れた髪。 額に浮き出てる汗。 安堵した表情で、 「美奈子。」 あたしを抱きしめようと近付いてくる`あいつ´の前に、近寄るなという意味を込めて携帯を突き出した。 「今日中に出てってね。」 事実を知っても涙も出ない。 だんだん心が放れていく`あいつ´を引き留める程、可愛さの欠片のないあたし。 「愛がない生活なんて嫌。早く出ていって。」 同棲を始めて2年。 終止符を打ったのは、あたしからだった。