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あの件から一夜明け。




「亜莉沙ぁ、おはよー!」

「おはよ」


通学路をだるそうに歩いていると声をかけられたので、眠たい目を擦りながら振り返る。


今日も朝から元気だね、ここあ。

あたしは昨日のことで疲れてるんだよ。




「しんどいの?」


幸いなことに、顔に傷は付けられていなかった。

ここあに心配かけなくて良かった…


その後なぜか光梨が甘くて、お休みのキスをおでこにされて、ドキドキして眠れなかった。




「いや、全然」


……なんて、言えるわけない。




「そっか。…良かった」

「ん?何が?」

「楓君と何かあったのかと思った」


「…――うぁっ」




コンクリートの盛り上がった部分に思いっきり躓いてしまった。


何とかこけずに、体制を立て直す。




「ぇ。…何があったの」

「や、別に」


あっちにとったらあんなのただの挨拶じゃん。


何も問題はない。…はず。




「あたしね…」


ここあが少し頬を染めて呟く。











「楓君のこと…、好きになっちゃったかも」






まじっすか?